インクのしみ

主に読書感想文

『経済は地理から学べ!』の感想

 昨年末、旅行の計画を立てるために、友人とGoogle Mapを眺めていました。そこで彼は「Google Mapを見ると、都市のサイズが平野の大きさによって規定されているのがよく分かる」と言っていました。なるほど確かに。東京や大阪、名古屋が大きい平野にあり、地方の都市がその都道府県の平地にちゃんとあるのがひとめで分かる。仮に、京都に都を戻して日本で一番大きい都市にし直すぞとどんなに息巻いても、地図を見ると、キャパ的に厳そうだと思えます。
 人間の生活は土地に大きく規定されているよなと思いつつ過ごしていたところ、ちょうど、宮地秀作著『経済は地理から学べ!』(ダイヤモンド社)に出会いました。この本では、世界のそれぞれの地域がその土地にどう規定され、その結果どう振る舞うとよいのか(あるいはそうする他ないのか)が書かれています。私が素朴に感じたようなことが、世界スケールで、色々な分野に渡って書かれています。
 もちろん、それぞれの土地は全体的に厳しかったりイージーだったりとばらつきはあります。しかし、土地ごとに得意不得意があって、それに応じた経済ができています。国家は土地の強みを活かして、弱みを補うように動くと考えると、色々な国際関係上での各国の動きが分かってきます。私も地理や地政学は入門したばかりですが、この本は、強くおすすめできます。